今日もハリボテは演じます 努めて人のように振舞います
皆目見当がつかぬニンゲンらしさを正面に描いて
傍から視れば忽ちに薄っぺらなわたしが露見します
背後から見たその顔は真っ黒で人にさえ視えないでしょう
働いたって 歌書いたって 三日坊主甚だしい
常識も忍耐も欠けた出来損ないです
世間様が拵えたニンゲンの模範解答を辿って
歪んでしまったのは世界か?それともこの心か?
人並みの笑い方も気遣いもできずに
街の広告も うわさも 小僧の視線さえも
「人に為れ」とわたしを突き刺す
「恥の多い生涯を送ってきました。」という一節で始まる小説と同じく、
得体の知れない世間という生き物がわたしをあらゆる角度から品定めするのです。
真っ当なニンゲンになろうと努めるほどに歪になるわたしの影はいま、
どんな形でしょうか?
いつかは報われますか?
嘘ついて 場を読んで 常識に慄いて
どう笑ったって どう泣いたって 心が噛み合わない
ああ 空気感染しそうな勤勉たれの風潮が
怠惰を垂れ流したわたしをはみ出し者に定義していく
一線を引いた跡に残った虚しさ
どこで生きてても誰かに後ろ指を指される
世間の目が個人的な視覚だとしたら
誰を真似しても私は私にしか為れない
だから粗末な足でも立つの
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